2026/4/2
瀬川冬樹氏が提唱した「Good Re_production」に共感する。僕の解釈は以下のとおり。
◇Good Re_production ~KENZO 解釈~
CDやレコードには生の音が記録されていない。ならば様々なお化粧をして生っぽい音を創作しやろう。一言でいうと「鮮度は守るのではなく創る」ということ。その際の音基準は記憶にあるナマ楽器の音。つまり、電気を使わない生楽器を至近距離で聞いた経験がなければ、Good Re_productionは不可能、ということになる。
Good Re_productionの手段として、将来、歴史的名機になるであろうB&W 606S2AEを選んだ。
606S2AEの魅力は奇跡的とも言える中高音の表現力。明るく元気な管楽器とシンバル系の分厚い響き、弦楽器の柔らかさの両立。声の高次倍音を際立たせる絶妙な艶の付与。ザラザラ感とジャリジャリ感を伴った雑味のある音、これこれそが606S2AEの真骨頂である。上位モデルではここまでの冒険は出来ない。600シリーズ25周年記念モデルに賭けた意気込みを感じる。
さらなる冒険は過剰とも思える中低域のボーボー音。このボーボー音は両刃の剣で制御を間違えるとお風呂場サウンドになってしまうが、上手に処理すれば楽器(とくにピアノ・管楽器)に等身大の実体感を創造する。(注1)
背面ダクトからは大量のボーボー音が排出される
言うまでもないが、606S2AEだけでは目標達成は不可能だ。サブウーファーKEF KC62は必須だし、スピーカースタンドの選定やセッティングには論理的思考と経験が必須となる。Good Re_productionへの取り組みはたくさんの知的エネルギーを使い、腹は減るし認知症防止にもなる。老後の趣味としては最適だ。
KEF KC62 オーディオの必須アイテム

FAPS マエストロ…音を飛ばすスピーカースタンド

さて、その音だが、僕のオーディオ歴50年で最高の出来となった。具体的には、原音再生の雄であるダイヤトーンDS-4NB70を超えた。Good Re_productionにおいては「正しく」作られたDS-4NB70より、たくさんのお化粧をした606S2AEの圧勝となった。
606S2AEの音、情報量は少ないが生音のエッセンスを抽出・凝縮した感じ「そうそう、生はこうだよねぇ」と脳が喜ぶキモチいい音なのだ。一方でDS-4NB70は情報量が多く正確で生に近い音だけど、「ちょっと生とは違うなぁ」と脳が分析モードになってしまう。こうなると、もう楽しめないのだ(注2)
606S2AEが生っぽいのはも一つ理由がある。それは「等身大音像」である。A4サイズのスピーカーから眼前にグランドピアノが現れる、管楽器は壁の向こうからリスナーに向けてすっ飛んでくる。コンサートホールは実際以上に広く深い響きになっている。
この現象は実に痛快である。Good Re_productionにおいて、実売10万円の606S2AEが100万円のDS-4NB70に勝ってしまったのだから。僕としてはDS-4NB70に未練はないので即刻売却した。
ダイヤトーン DS-4NB70 お役御免
今、僕のメインスピーカーは606S2AEである。
606S2AEの神業とも思える音作り。これを超えるスピーカーは今後発売になるだろうか?
◇システム構成
・スピーカー: B&W 606S2 Anniversary Edition
・スピーカースタンド : FAPS マエストロ
・スピーカーケーブル: VAN DAMME LC-OFC 0.75sq 2m
・プリアンプ: アキュフェーズ C-2300
・パワーアンプ : Denon PMA-1700NE
・デジタルプレーヤー:sony HAP-Z1ES
・プリ、パワーアンプケーブル : モガミ2549 RCA 7m
・サブウーファー: KEF KC62
◇注1
606S2AEを単体で6畳間で使ってみたら、完全にお風呂場サウンドになってしまった。部屋の広さは12畳は必要であり、壁から50cm以上離すのは必須である。
◇注2
ダイヤトーン DS-4NB70はスピーカーが色を持たないので、上流でGood Reproductionする必要がある。具体的には、DS-4NB70の開発に使われたといわれる300万円の真空管アンプの使用である。